財産管理契約とは?元気なうちから利用できるサポート
財産管理契約とは
財産管理契約も任意後見契約とセットで利用します。
任意後見契約は判断能力が低下したあと、家庭裁判所に申し立てないと効力が発生しません。
見守り契約はご本人の生活状況の確認しかできません。
人によっては、ある程度元気なうちから自分の財産の一部を管理してもらったり、細かな支払い、契約等を代理してもらってサポートをしてもらいたいと考える方もいるでしょう。
財産管理契約はこれらを実現することができます。
財産管理契約でできること
- 日常的な預貯金の管理
- 金融機関との取引に関するやりとり
- 定期的な収入(年金、賃料等)の受取り
- 定期的な支出(公共料金、医療費、施設代)の支払い
- 生活必需品等の購入に関する事項
- 福祉サービス利用の契約手続きに関する事項
- 病院への入院手続き、施設への入所手続き
- その他契約で定めた事項
財産管理契約のメリット
- 契約の内容は自由に定めることができるので、預貯金の管理だけを任せる、等も可能
- 契約内容変更が容易であるため、段階的に権限を増やしていく、といった利用方法も
→最初は預貯金の管理だけ、体調が悪くなってくると金融機関のやり取りや収入支出の管理まで任せる内容に変更する、といった使い方が可能です。 - 契約により即座に効力が生じるため、使い勝手が良い
→任意後見は家庭裁判所に申し立てて認めてもらうまで時間がかかるため、対応が後手になることもあり、その対策としても財産管理契約は有用です。
財産管理契約のデメリット
- 監督機関がないため、不正が心配
→任意後見は裁判所等が監督機関として入りますので安心ですが、財産管理契約では公的機関の監督がありません。信頼できる人に任せないとトラブルになる可能性があります。
財産管理契約のデメリットに対する対策
- 管理させる口座を限定する
→例えばA銀行X支店の普通預金に50万円だけ入れて、それだけを管理してもらう - そもそもお金を管理させない
→お金だけはご自身で管理し、お金意外に関しては全面的に管理してもらう、など - 重要な行為に関しては第三者または本人の同意を条件とする条項を入れる
→実作業は専門家に任せるが、重要な行為に関しては本人の同意書を必要としておけば、監督機能としては足りるでしょう。
次のような場合、財産管理契約がおすすめ
- 元気なうちからある程度日常生活をサポートしてもらいたい
- 身寄りがいないため、法的にも色々相談できる相手が欲しい