建物表題部更正登記とは?
登記されている建物に地下室が見つかった
建物表題部更正登記とは既に登記されている内容について、間違っている部分を正すという登記です。増築や一部取壊しによる場合は建物表題部変更ですが、過去に登記された内容が実は間違っていましたという登記をするのが建物表題部更正登記です。
以前にご相談を頂いた案件で、既に登記されている2階建の建物に、地下室があったのですが、地下室が登記されていない状態でした。
※地下室の深さや、天井までの高さ等の条件により、すべての地下室が登記される対象になるとは限りませんが、今回の案件では建物を調査した結果、登記に反映されるべき地下室でした。
このような場合は、建物表題部変更登記ではないのか?
今回の場合ですと、地下室は後から作ったわけではなく、建物が建築された当時から存在していたものですので、地下室が新たに作られましたという登記とは異なり、当時の登記に誤りがあり、本当は地下1階付きの建物でしたという建物表題部更正登記を申請することになります。
登記に誤りがあることなんてあるの?
よくあることではありませんが、天井までの高さが低い地下室や屋根裏部屋などは、登記されるべきものであっても見落とされて、登記がされていないことは稀にあります。 当然、このような場合にその物件に抵当権を設定したいとなると、現況と登記の内容が異なるということで、金融機関から正しい登記をすることを求められることになります。
【変更】と【更正】の違いとは
登記における【変更】という言葉と、【更正】という言葉は、全く異なる意味のものです。
変更は既にある状態に何らかの変更(増築や一部取壊しなど)を施したことにより、登記記録を変更するものです。更正は既にある状態に何らかの変更を行わず、登記記録に誤りがあるので、それを訂正しますというものになります。
更正登記をする必要はあるのか?
今回のように登記されている内容と実際の建物が異なる場合は、建物表題部更正登記をする必要があります。基本的に現況の建物が登記簿に記録されている内容と異なる場合は、ただ居住しているぶんには何ら問題がありませんが、建物を売却したい場合や、建物に抵当権を設定したい場合に、登記内容と現況が異なることが、必ず問題となります。
今回ご紹介したような案件は、地下室のお話でしたが、屋根裏部屋などの登記漏れもよく耳にするお話です。
あまり機会はないのですが、今回は建物の登記記録が誤っていた場合に、その誤った内容を正すための建物表題部更正登記についてご紹介しました。