未登記建物の登記ってどうするの?

実際にあった未登記建物事例をご紹介します

3階建の延床面積が200㎡近い共同住宅のお話です。

今回登記がされていない理由としては、建物所有者のとある法人が自己資金で建築した社宅として使用していた建物で、融資を受けることなく共同住宅を建築したようです。建物を担保に入れる必要もなかったため登記がされていないままとなってしまっていました。

取り壊すにはまだ利用できる建物でしたので、この建物を売却に出すことになったのですが、登記がされていないため売却が難しいということで、建物の表題登記をして欲しいといった内容のご依頼でした。

実際にどんな作業をして建物表題登記をするのか

①役所や税事務所で調査をします

今回の建物は役所にて建築計画概要書(※)が閲覧できたので、おおよその建物の形や床面積、敷地に対して建物がどのような配置にあるかは事前の役所調査により把握することができました。

※ 建築計画概要書とは、建築確認申請の際に提出する書類で建築計画の概略が記載されています。建築主の名前や、建物の所在、敷地面積、建物の床面積、構造などの情報が記載されています。

②現地にて建物の調査をします

レーザー測距計で実際に建物の辺長を計測したり、建物の中に入らせていただき、建物の用途が共同住宅であることが証明できる写真を撮ります。

③役所と現地で調査した情報をもとに登記申請に添付する建物図面と各階平面図を作成します。

図面を作成する専用のソフトを使って作成します。

④登記申請に添付する所有権を証明する書類を作成します

本来であれば、建物を建築した際の建築確認済証や、施工業者からの引渡証明書を添付して、申請する建物の所有者を証明していくことになるのですが、建物の建築年月日が古いとなかなかそういった書類を保管されていることは少ないです。建物の所有者を証明できる公的な書類がない場合は、その他の書類で建物の所有権を証明していきます。

・上申書(印鑑証明書を添付)・・・今回登記申請する建物は私がいつ建築をしてどういう経緯で使用してきたので、私の所有する建物に間違いありませんという内容を記載します。

・固定資産税評価証明書や納税証明書・・・建物とその土地の固定資産税を払っている者が当然建物の所有者ですよという根拠になります。

その他にも所有権を証明するために使用する書類は多数存在します。 申請する建物の所在を管轄する法務局や、ご依頼者様がどのような書類をお持ちなのかによって、所有権証明書類は多様化します。今回の案件は上申書と固定資産税を納付していることを証明する書類のみでした。

⑤準備した書類をまとめて登記を申請します

登記を申請して8日間ほどで建物の表題登記が完了しました。その後、無事に建物を売却することができたようです。

建物が未登記のまま放置しておくのは危険?

今回の案件では未登記建物について、他に所有権を争う第三者がいなかったので特に問題なく登記をすることができましたが、これが借家だった場合などは貸主と借主で所有権の紛争がある可能性もあります。登記がされていない建物を放置しておくと、後々トラブルになる可能性が高くなります。このようなことにならないよう、専門家に相談して登記をすることをお勧め致します。

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