不在者財産管理人とは?
不在者財産管理人とは、行方の分からない相続人の財産を管理する人
あまり馴染みがない言葉だと思いますが、実務ではたまに利用する制度です。
日本には住民票の制度があり、自分の住んでいる場所はその管轄する市区町村役場に届け出るわけですが、皆が皆、正確に届出をしているわけではありません。
遺産分割協議には必ず印鑑証明書を添付しなければならない関係で、上記のような場合では遺産分割協議ができないということになります。
それでは不都合ですので、行方の分からない者の代わりに財産を管理する者を選任することができます。
これを不在者財産管理人といいます。
通常は財産の保全が仕事ですが、家庭裁判所の許可を得ることによりその者が不在者に代わって協議に参加することができ、正式に遺産分割協議を成立させることができます。
なお、遺産分割協議をする場合は、管理人として、その不在者に入ってくるべき法定相続分はしっかり確保しなければなりません。
そのような協議案でなければそもそも家庭裁判所は許可をしてくれません。
実務では、数年後に新たな遺産が見つかり、追加で遺産分割協議をしようとしたところ、協議に参加すべき者が亡くなっており、その相続人もいないという場合に不在者財産管理人がその者に代わって遺産分割協議をする、というようなケースが多いです。