遺留分算定基礎となる財産とは?具体的に解説します

遺留分算定の基礎となる財産

遺留分算定の基礎となる財産は、以下の❶~❹の合計となります。

  1. 相続開始時に存在する財産
  2. 相続開始前1年間に行われた、相続人以外の第三者に対する贈与額
  3. 相続開始前10年間に行われた、相続人に対する贈与
  4. 遺留分権利者を害するために行われた贈与(期間制限なし)

具体例でご説明

少し分かりづらいので具体例で説明します。

  • 登場人物は父、長男、次男
  • 父死亡、全財産を次男に相続させるとの遺言あり
  • 遺言の結果、次男が1億円を相続
  • 次男は父死亡の5年前に2000万の贈与を受けていた
  • 長男は父死亡の12年前に1200万の贈与を受けていた
  • 父は死亡の3年前に姪っ子に1000万円を贈与していた

上記の場合の遺留分算定基礎となる財産の計算は下記2点の合計、1億2000万円となります。

  • 次男が相続によって取得した1億円
  • 次男への5年前の生前贈与2000万円

※長男の受けた1200万円は10年以上前の贈与なので、遺留分算定基礎には入れない
※姪っ子への1000万円贈与は第三者への1年以上前の贈与なので、算定基礎に入れない

長男の遺留分は
1億2000万円×1/2×1/2=3000万円
となります。

長男の遺留分侵害額は
3000万円から12年前に贈与を受けた1200万円を控除
→のこり1800万円
となります。

※父から受けた生前贈与等の特別受益を遺留分額から控除します。
この特別受益として控除される贈与については、期限は定められておらず、10年以上前の贈与であっても、控除の対象となります。

長男は12年前に父から1200万円の贈与を受けているため、遺留分額より控除される、というわけです。

遺留分侵害額の厳密な計算はとても複雑

以上のように、厳密な遺留分侵害額の計算は複雑で分かりづらいです。

遺留分が侵害されている、または侵害してしまっている等でお悩みの方は一度ご相談下さい。

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