相続が発生した直後にやること
身近な方が亡くなると、気持ちの整理がつかないまま手続きが次々に出てきます。ここでは最初の数日から一週間程度で押さえたい要点を、迷わない順番でまとめます。
相続人の確認と必要書類の集め方
最初に取り組みたいのが、相続人を確定するための戸籍の収集です。故人の出生から死亡までの戸籍が必要になることが多く、転籍があると複数の自治体に請求が必要です。相続人の範囲が確定すると、その後の銀行手続きや遺産分割の前提が整います。併せて、住民票の除票や戸籍の附票など、名義変更で求められやすい書類も確認しておくと二度手間を防げます。
遺言書の有無を確認する注意点
遺言書が見つかった場合は、形式によって進め方が変わります。自宅で保管されている遺言を勝手に開封すると、後で手続きが複雑になることがあります。どこに保管されているか、封がされているか、日付と署名があるかなどを落ち着いて確認し、必要に応じて専門家や窓口に相談しましょう。並行して郵便物を仕分けし、口座や保険の手がかりを集めておくと次の段階がスムーズです。
・書類は一か所に集約する
・相続人候補を家族で共有する
・通帳、保険証券、契約書を探す
期限がある手続き 相続放棄と税金の基本
相続はいつでもゆっくり進められるわけではありません。特に期限が短い手続きは、迷っている間に選択肢が狭まります。ここでは代表的な期限と考え方を整理します。
三か月以内 相続放棄を判断する流れ
借金が多い可能性がある、保証人になっていないか不安といった場合は、財産の全体像を確認してから判断します。相続放棄は原則として、相続開始を知った日から三か月以内に家庭裁判所へ申述します。預金や不動産だけでなく、ローン残債、未払いの税金、クレジットの利用残なども確認し、わからない点は金融機関や自治体に照会しましょう。焦って一部の財産を処分すると判断に影響することがあるため、行動の前に段取りを整えるのが安心です。
四か月と十か月 申告の有無を確認するコツ
故人に自営業や不動産収入がある場合などは、亡くなった年の所得について相続人が申告する準確定申告が必要になることがあります。期限は原則として四か月以内です。また相続税の申告と納付は原則として十か月以内ですが、基礎控除の範囲内なら申告不要のケースもあります。とはいえ土地や預金があると評価が必要になりやすいので、財産目録を作って概算をつかむと、必要な相談先も見えやすくなります。
・三か月以内 相続放棄や限定承認の検討
・四か月以内 準確定申告が必要か確認
・十か月以内 相続税の申告と納付の要否確認
遺産分割から名義変更まで 実務の進め方
相続人と財産が整理できたら、いよいよ分け方を決めて名義を変えていきます。ここでつまずくと手続きが長引きやすいので、やることを細かく分けて進めましょう。
遺産分割協議を進めるポイント
遺言書があれば原則としてその内容に沿いますが、遺留分といって一定の相続人に最低限保障される取り分が関係する場合もあります。話し合いは感情が絡みやすいので、財産の一覧を共有し、数字と事実を土台に進めることが大切です。合意できたら遺産分割協議書を作成し、署名押印を含めて形式を整えます。銀行や保険会社で求められる書式があることも多いので、提出先の要件を先に確認するとやり直しを防げます。
預金と不動産の名義変更 チェックリスト
預金は凍結されていることが一般的で、払い戻しや解約には相続人全員の同意書類が必要になるケースがあります。不動産がある場合は相続登記で名義を変更します。登記には戸籍一式や評価証明、協議書などが必要で、書類の集め方でつまずきやすい分野です。最後に、クレジットカードや携帯電話、公共料金、各種サブスクの解約や名義変更も行い、漏れなく締めくくります。
・財産目録を作り、漏れを防ぐ
・提出先ごとに必要書類を確認する
・預金、不動産、保険の順に優先度を決める
・解約と名義変更まで終えて完了にする
