遺贈寄付
2025/01/23
遺贈寄付とは、遺言によって財産を相続人等の個人に対してではなく、慈善団体等の法人に対して寄付することを言います。
遺贈先は多岐にわたり、公益法人、NPO法人、学校法人、その他団体など、自分にとって縁のある団体、自分の共感する活動を行っている団体などに、自分の築いた財産を使ってもらうことにより社会に貢献します。
相続人のいらっしゃらない方では、遺贈寄付を選択される方が最近増えてきています。
遺贈寄付をおすすめする方
法定相続人のいない方には自信をもって遺贈寄付をおすすめいたします。
法定相続人がいない方は、死後その財産は国庫に帰属することになります。
国に遺産がいってしまうこと、これを良くないと言うつもりはもちろんありません。しかし、今までご自身が苦労を重ね築いてきた財産のいく先をご自身で決める、これ自体に大きな意義があると考えます。
3つの遺贈寄付の方法
一般的に遺贈寄付には3つの方法があります。
遺言による寄付
1
自分の財産を特定の団体に直接寄付(遺贈)する内容を遺言に書きます。
遺言の効力が発生すると、遺言で指定された遺言執行者が遺贈先の団体に対して遺産を引き継ぐ作業を行います。
遺贈寄付の方法の中では、最も多く用いられています。
信託による寄付
2
信託契約において、慈善団体等を受益者として定めます。
生前から年に1回などの回数を定めて、定期的に寄付をしたい団体に対して寄付を行うことができます。
相続人からの寄付
3
遺言ではなく手紙や言葉で相続人に対し、慈善団体等に相続財産を寄付するように伝えておきます。
ご本人が亡くなった後は相続人から慈善団体等に寄付を行うこととなります。
遺贈寄付の流れ5ステップ
一般的に最も用いられている「遺言による寄付」を例にして説明します
1.まずは遺贈する団体を選びましょう
依頼者様が遺贈によって実現したいことは何でしょうか?
例えば保護犬の里親募集に関する活動を真摯に行っている団体に対して、強く共感するのであれば、そのような活動を行っている団体を探します。
実際の活動を詳しく知ることで、寄付をすることの意義を実感することができるかもしれません。
団体探しはご自身で行って頂いても構いません。
ご要望があればご要望通りの団体を弊所でお探しさせて頂き、依頼者様がお探しになった団体とあわせて、その中より遺贈先を選んで頂くこととなります。
遺贈先を決めるにあたって考えるべき4つのポイントについては下記をご覧ください。
2.その団体が「遺贈」による寄付を受け入れているか確認をします
遺贈寄付では、現金だけでなく不動産や有価証券が対象物になることもあります。
現金の遺贈で問題になることはありませんが、利用・活用が難しい不動産(田や畑、山林、借地権など)や非上場の株式等は、お金に換えることが簡単ではないため、団体によっては受け入れを拒否しているところもあります。
3.包括遺贈を受け入れているかを確認します
包括遺贈とは遺贈する財産が現金100万円とか、この不動産、といった特定のものではなく、全財産の半分といったような割合を定めて遺贈する方法を指します。
簡単な遺贈寄付の方法にはなりますが、もらう側はお金だけをもらうことになるのではありません。
遺言者に借金があればその借金まで受け継いでしまうこととなるため、団体によっては包括遺贈の方法では受け入れを拒否しているところがあります。
4.その団体が財産をどのように使っているかを確認します
各団体によって寄付金の使途は様々です。
団体によっては寄付者固有の基金をつくり個別に管理をし、寄付者の希望に沿って事業を行うところもあります。
5.遺言書を作成します
遺贈先と遺贈財産の種類が決まったら遺言書を作成します。
全財産を遺贈寄付するのではなく、一部を遺贈寄付という形でももちろん問題はありません。
遺言書は細かいお打ち合わせを繰り返しながら弊所で案文を作成させて頂きます。
また、遺言執行者としては弊所、もしくは弊所関連団体の「一般社団法人遺言友の会」が引き受けさせて頂きます。
必要な書類
- ご実印(遺言を書く方)
- 印鑑証明書(遺言を書く方)
- マイナンバーカード等の身分証明書(遺言を書く方)
- 法定相続人の戸籍謄本
→財産を法定相続人に相続させる場合 - 受遺者の住民票か保険証等の写し
→財産を相続人以外の人(受遺者)に遺贈する場合 - 固定資産納税通知書または固定資産評価証明書
→財産の中に不動産がある場合 - 預貯金通帳の表紙
→金融機関名と支店がわかれば通帳までは不要です - 取引状況報告書
→株式、投資信託など。毎年、年明け頃に郵送されてきます。
※財産に関しては資料が紛失等していても全く問題なくお手続きは可能です
費用のご案内
遺贈寄付を自筆証書遺言でする場合 | 報酬70,000円〜 |
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遺贈寄付を公正証書遺言でする場合 | 報酬80,000円〜 |
ご依頼の流れ
ご相談、お打ち合わせ、遺贈寄付先の選定
STEP2
公証役場と打ち合わせ
STEP4
出来上がった遺言書案をもって、公証役場で打ち合わせをいたします。
公証人より、修正指示が入る場合もございますので、それを遺言書案に反映させていきます。
依頼者様による最終確認、公証人との日程調整
STEP5
公証役場チェック済みの最終案をご確認いただきます。
この時点ではまだ内容の変更が可能です。
特段変更のない場合は、これを確定とし、公証役場に行く日程を調整します。
お身体が不自由な場合、公証人にご自宅や施設、病院に出張してもらうことも可能です。
よくある質問
- 生命保険金を遺贈寄付したいのですが、保険会社が応じてくれません。
- 生命保険金の受取人を変更すること自体は難しくありません。
ただ、ほとんど全ての保険会社で変更先として指定できるのは、「本人の2親等以内の血族」と約款で決められています。
ただし、個別具体的な事情があれば、2親等以内の血族以外の第三者を受取人とすることが可能です。
この個別具体的な事情をいかに保険会社に説明するか(説明するための資料作りを含む)、が腕の見せ所。
弊所が取り扱った案件で、受取人を第三者に変更できなかったケースは一度としてございませんので、安心してお任せ頂ければと思います。
ご相談だけでも承っております。
- 遺贈寄付の手続きにかかる期間を知りたい
- ご相談を頂いてからお手続き完了まで1か月〜1か月半程度かかります。
ご相談をいただきましたら、まずは遺贈先の団体選びを行います。
そして遺贈する財産を調査し、遺贈先団体との遺贈受け入れの打ち合わせを行い、遺言を書く、というプロセスを辿ります。
そのためお手続き完了まではある程度お時間がかかってしまいます。
- 子や配偶者がいるものの、相続人には財産を渡したくなく、全財産を遺贈寄付したい
- 遺贈寄付の遺言を書く際は、遺留分を侵害しないような内容で作成することが重要となります。
子と配偶者は遺留分を有します。
遺留分を有する相続人がいる場合に、全財産を慈善団体に遺贈寄付してしまうと、その慈善団体が相続人から遺留分侵害額請求を受けてしまうことになります。
ほとんどの団体で、遺留分侵害額請求を受けてしまうことを前提とする遺贈寄付については、受け入れを拒否しています。
遺贈寄付の際は弊所で遺言書案を考えますので、ご安心ください。
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