登記更生(登記のやりなおし)
2025/01/23
誰しも誤った登記を申請してしまうことがあります。
ただ、この「誤った」というのは勘違いをした結果のケアレスミス、という意味だけではありません。
実務でよくある例を一つ紹介します。
実務でよくある例
夫婦で、夫が4500万円、妻が500万円を出し合って、5000万円のマイホームを購入しました。
【通常の登記】
- 夫持分→10分の9
- 妻持分→10分の1
【誤った登記】
- ×夫持分→2分の1
- ×妻持分→2分の1
将来の事を考えて、という妻側の要請により、上記で名義を入れてしまいました。
特例にならず、贈与税がかかる
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これは法律的には、
「夫から妻に対して2000万円の贈与があり、妻は元からもっている500万円と合算してマイホーム購入資金とした」
ということになります。
本来、各種の贈与に関する特例を用いずに贈与をしてしまうと、贈与額に応じた贈与税がかかります。
税務調査を受ける可能性も
!
ここで、少し話は変わりますが、不動産の名義変更があった場合、その情報は法務局から管轄の税務署に通知がなされています。
つまり、税務署としてはこの夫妻が不動産を購入した、という事実を知ることになるわけですが、妻が今まで就労したことがない場合や、結婚してまだ間もない場合で、夫婦共有財産が少なく、どう考えても妻が2500万円もの資金を捻出できないと思われる場合、税務署はどう思うでしょうか。
妻が誰かから贈与を受けたのではないか?と考え、結果、税務調査に来るわけです。
そして調査の結果、贈与税の申告がなされていませんので、その申告をしてくださいということになります。
2000万円の贈与にかかる贈与税は700万円近くになるわけですが、当然贈与する側もされる側も、そのような高額な贈与税を納める想定などしていません。
そこで、税務署から「贈与ではないのであれば名義を正しくやり直してください」と指導されるわけです。
法務局に対しては、
「諸々の手違いにより誤った割合で登記をしてしまったので、正しい持分割合で登記をし直したい」
ということで、更正登記(やりなおし登記)の申請をすることになります。
実務でよくみる更正登記
- 完全なケアレスミス(名前の漢字間違いや住所表記の間違い)
- 税務上の要請で当事者を変更するやりなおし登記のケース(まさに上記具体例)
- 当事者間であとから合意した結果、当事者を変更するやりなおし登記のケース
登記手続きに必要な書類
- 不動産の権利書(登記済証または登記識別情報)
- 印鑑証明書(更正によって持分が減る人+前所有者)
- 住民票(更正によって持分が増える人、新しく所有者になる人)
- 運転免許証等の身分証明書のコピー
- 各ご実印
- 固定資産税納税通知書
費用のご案内
更正登記(やりなおし登記) | 報酬30,000円〜 |
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ご依頼の流れ
法務局に登記申請手続き
STEP5
法務局へ更正登記(やりおなし)の申請を行います。1~2週間でお手続き完了いたします。
よくある質問
- 登記のやりなおし、というのはどこまで認められますか?
- 更正(やりなおし)の前後で、「同一性」が必要とされています。
例えば、A→Bの名義変更を、A→Cにやりなおしたい、という場合で考えてみます。
これは、やりなおしの前後で同一性がなく、全く別モノの登記ということになります。
この場合、更正(やりなおし)では対応ができません。
具体的な方策としてはA→Bの名義変更を完全に抹消して、A→Cへの名義変更の再申請を要することとなります。
- A→Bへの名義変更を、A→BCへの名義変更に更正(やりなおし)できますか?
- 可能です。
ただし、BC間だけでは手続きできず、前所有者であるAに登記手続きに参加してもらい、ABCの3者間で手続きをする必要があります。
- ひとつ前の質問の場合、前所有者であるAが手続きに協力してくれない場合どうすればいいですか?
- 真正な登記名義の回復、という最終手段があります。
この登記原因を使えばどのような場合でも完全なやりなおしが可能です。
ただし、税率が2%と高いため通常安易に選択しません。
不動産登記のお役立ちコラム
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